2025年6月9日
みずほ信託銀行株式会社
みずほ信託銀行が参加するDeFi研究会のDeFiプロジェクトが金融庁の「FinTech 実証実験ハブ」の支援案件に採択
みずほ信託銀行株式会社(取締役社長:笹田 賢一)が参加する「DeFi研究会」1の検討を踏まえたプロジェクトが、金融庁の「FinTech 実証実験ハブ」の支援案件に採択されましたのでお知らせします。
実証実験の背景および概要
パブリック(パーミッションレス)型ブロックチェーンを基盤とする経済活動が拡大するなか、トークンの移転や交換のインフラとしてAMM2等のいわゆるDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)で活用される機能に対するニーズも高まっています。
本実証実験では、暗号資産等を模したトークンを用いて、金融機関等による本人確認(KYC)が行われたことが示されているアドレス(に紐づくウォレット)を保有する顧客(以下「本人確認済み顧客」という。)等に対するAMM機能を用いたサービスの提供ならびにマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与に関するリスク低減措置等を検証します。具体的には、ブロックチェーン技術を用いた以下の事項に関する技術的および法的課題の洗出しを行うとともに、その実現可能性について検証します。
- 金融機関等が管理するホステッド・ウォレット(カストディアル・ウォレット)を保有する顧客へのAMM機能を用いたサービスの提供
- 利用者が自ら管理するアンホステッド・ウォレット(ノンカストディアル・ウォレット)に紐づくアドレスに対する金融機関等による本人確認が行われたことを示す措置
- 本人確認が行われたことが示されているアドレス間でのみ移転可能なトークンの発行
- 本人確認済み顧客による当該トークンを用いた特定のAMM機能へのアクセス
今後の展開
DeFi研究会は、本実証実験を通じて確認された、活用可能と考えられるブロックチェーン技術の内容等を踏まえ、今後、当局との連携を図りながら、当該技術等の活用を前提として、金融機関等および本人確認が行われた顧客が規制対象となるトークン3を取り扱うDeFiを利用しやすい環境の整備に向けた更なる議論を進めるとともに、当該トークンを活用したビジネスの創出および関連エコシステムの構築について検討していきます。
- 1金融機関等およびその顧客が規制対象となるトークンを取り扱うDeFi(分散型金融)を利用することが可能な環境の整備に向けた検討を進めることを目的として、規制事業者(銀行、金融商品取引業者、信託銀行および暗号資産交換業者)、法律専門家および開発事業者を中心に設置された研究会。
- 2AMM(Automated Market Maker)とは、一般的に、スマートコントラクト(自動執行プログラム)が流動性プール(交換する暗号資産のペア)に預けられている暗号資産の量から取引価格(交換レート)を自動的に計算する仕組みをいう。
- 3資金決済に関する法律に規定する電子決済手段および暗号資産並びに金融商品取引業に関する内閣府令に定める電子記録移転有価証券表示権利等をいう。
金融庁FinTech実証実験ハブについて
「未来投資戦略2017」(平成29年6月閣議決定)において、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、金融庁において、フィンテックに係る実証実験を容易化するための措置を講じるとの方針が示されました。これを踏まえ、フィンテックに係る実証実験を容易化するための措置として、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するための支援を行うため、金融庁により「FinTech実証実験ハブ」が設置されました。
FinTech実証実験ハブでは、フィンテック企業や金融機関等が、実験を通じて整理したいと考えている論点(コンプライアンスや監督対応上のリスク、一般利用者に向けてサービスを提供する際に生じうる法令解釈に係る実務上の課題等)について、個々の実験ごとに結成される金融庁の担当チームより継続的な支援が得られます。
「FinTech実証実験ハブの設置について」
https://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20170921/20170921.html
実証実験の参加企業
「DeFi研究会」の参加企業を中心に実証実験を行います。
DeFi研究会参加企業(50音順)
- SBI VCトレード株式会社
- ソニー銀行株式会社
- 株式会社大和証券グループ本社
- 野村ホールディングス株式会社
- ビットバンク株式会社
- みずほ信託銀行株式会社
- 三井住友信託銀行株式会社
- 三菱UFJ信託銀行株式会社
- 法律専門家
- 開発事業者
事務局
- KPMGジャパン
以上