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相続の態様

相続には主に3つのパターンがあります。

1.単純承認

相続の開始があったことを知った日から原則、3ヵ月を経過すると、被相続人が有するすべての権利義務を相続人が承継することになります。これを単純承認といいます。単純承認した後に、遺産を取得しないことを俗に「相続分の放棄」といいます。相続分の放棄は後記3の「相続の放棄」と異なり、法定相続分や相続順位の移動もありません。また、単純承認であるので債務は承継します。

2.限定承認

限定承認とは、プラス財産の範囲内でマイナス財産を相続(遺贈を含む)、弁済することをいいます。限定承認をするときは、相続人全員で相続開始を知った日から原則、3ヵ月以内に家庭裁判所に「限定承認申述書」を提出しなければなりません(民924)

3.相続の放棄

  • (a)相続の放棄とは、プラス財産もマイナス財産も一切相続しないことをいいます。相続の放棄をするときは、家庭裁判所に各相続人単独で相続開始を知った日から、原則3ヵ月以内に「相続放棄申述書」を提出して、受理されなければなりません。「相続放棄申述受理証明書」の交付を受けておけば、債務の返済を迫られることも回避できます。
    相続放棄は相続人1人でもできますが、相続開始を知った日から何もせずに3ヵ月を経過すると、被相続人の財産はもとより一切の債務を相続したこと(単純承認)になります。
  • (b) 相続の放棄の効果
    相続の放棄の申述が被相続人の住所地の家庭裁判所に受理されると、放棄した人は相続開始の時にさかのぼって相続人でなかったことになり、同順位の相続人の相続分が増えたり、同順位の人が全員放棄すれば次順位の人が相続人になったりします。
    もう一つの放棄の効果として、放棄した相続人の子供も相続権が喪失します。つまり代襲相続権もなくなります。
    相続放棄をした者が、生命保険金や死亡退職金を取得しても、民法上の相続財産ではないので、相続による借金返済に充当する必要はありませんが、相続税は課税されます。

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