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みずほ信託銀行
年金コンサルティング部

石田 智昭

みずほ信託銀行
企業戦略開発部

風祭 隆典

みずほ信託銀行
信託ソリューション第三部

佐藤 雅史

企業と従業員の明日を株式給付で支える
信託銀行ならではのコンサルティング

企業活動において「人的資本」の重要性が高まる中、注目を集めているのが「J-ESOP」、つまり自社株式を活用した信託スキームだ。従業員に株式を配布することはどのようなメリットがあり、企業と従業員の未来をいかにして支えていくのか。J-ESOPの構築、コンサルティングに携わるメンバーが、サステナブルな企業経営を支える取り組みに迫る。

風祭 隆典

「人的資本」にかつてない関心が集まる中
従業員への株式給付が一つのアプローチに

――サステナビリティ経営を指向する企業が増える中、非財務資本(無形資産)の重要性が高まっています。どのような背景があるのでしょうか。

風祭:背景には「人的資本」に注目が集まっていること、そして「株主構成の変化」があります。

まず、人的資本です。2021年にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、サステナビリティへの取り組みに関する基本方針が示されました。ここで明記されたのが「人的資本」です。日本の企業はROEが低く、賃金も上がっていないといった点が懸念され、企業価値の向上が至上命題になりました。パーパス経営が標榜され、ミッション・ビジョン・バリューを明確に定義して経営計画を立て、着実に進めていくことが求められます。しかし、アイデアを出し、企画し、実行するのは「ヒト」です。従業員の働き方、コミットメントを考えなければ、企業価値の向上はなし得ません。

佐藤:私は信託ソリューション第三部でお客さまのニーズを日々聞き取って、ソリューションにつなげています。お客さまとディスカッションを重ねる中で、人的資本は注目されているのです。

石田:年金コンサルティング部で、佐藤さんの部署と連携しながらソリューションの仕組みづくりを進めています。政府が「人材版伊藤レポート2.0」(2022年)を公表し、人的資本経営の実現に向けた情報開示、実践に向けたガイダンスを示していますが、先進的な企業は先んじて「ヒト」を大切にしているという実感があります。

――政府も「人的資本経営」を後押しする中、企業経営陣だけではなく投資家など、あらゆるステークホルダーの関心事が「ヒト」に集まっているのですね。2つめのファクター「株主構成の変化」についてはいかがでしょうか。

風祭:ここでもコーポレートガバナンス・コードの改訂が大きく作用しています。政策保有株式を縮減し、企業が株式を持ち合うことを解消しなければならない中、株式の受け皿は外国人投資家主体となっています。この潮流に一石を投じ、「誰が株式を持つべきか」という議論が活発化しているのです。そこで出てきたのが、「従業員に自社株を持ってもらう」というアプローチです。人的資本への意識の高まりもあり、企業と従業員が同じ方向を向くための選択肢にもなっているのです。

佐藤:みずほ信託銀行は人的資本の拡充に向け、多面的な支援を進めてきました。その中の一つが、企業価値の向上につながる「株式給付信託(J-ESOP)」です。従業員が自社の株式を保有することで、自分の業務だけではなく、企業全体の価値向上、社会的なインパクトなど、視野を幅広く持つきっかけになります。私たちは、ここに大きな期待を感じています。

石田:銀行は「ヒト・モノ・カネ」の中でも「カネ」に関する業務が多いのですが、J-ESOPは「ヒト」へのアプローチになります。人的資本への意識の高まりもあり、取り組みの重要性を改めて感じているところです。

風祭 隆典

「人的資本」にかつてない関心が集まる中
従業員への株式給付が一つのアプローチに

――サステナビリティ経営を指向する企業が増える中、非財務資本(無形資産)の重要性が高まっています。どのような背景があるのでしょうか。

風祭:背景には「人的資本」に注目が集まっていること、そして「株主構成の変化」があります。

まず、人的資本です。2021年にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、サステナビリティへの取り組みに関する基本方針が示されました。ここで明記されたのが「人的資本」です。日本の企業はROEが低く、賃金も上がっていないといった点が懸念され、企業価値の向上が至上命題になりました。パーパス経営が標榜され、ミッション・ビジョン・バリューを明確に定義して経営計画を立て、着実に進めていくことが求められます。しかし、アイデアを出し、企画し、実行するのは「ヒト」です。従業員の働き方、コミットメントを考えなければ、企業価値の向上はなし得ません。

佐藤:私は信託ソリューション第三部でお客さまのニーズを日々聞き取って、ソリューションにつなげています。お客さまとディスカッションを重ねる中で、人的資本は注目されているのです。

石田:年金コンサルティング部で、佐藤さんの部署と連携しながらソリューションの仕組みづくりを進めています。政府が「人材版伊藤レポート2.0」(2022年)を公表し、人的資本経営の実現に向けた情報開示、実践に向けたガイダンスを示していますが、先進的な企業は先んじて「ヒト」を大切にしているという実感があります。

――政府も「人的資本経営」を後押しする中、企業経営陣だけではなく投資家など、あらゆるステークホルダーの関心事が「ヒト」に集まっているのですね。2つめのファクター「株主構成の変化」についてはいかがでしょうか。

風祭:ここでもコーポレートガバナンス・コードの改訂が大きく作用しています。政策保有株式を縮減し、企業が株式を持ち合うことを解消しなければならない中、株式の受け皿は外国人投資家主体となっています。この潮流に一石を投じ、「誰が株式を持つべきか」という議論が活発化しているのです。そこで出てきたのが、「従業員に自社株を持ってもらう」というアプローチです。人的資本への意識の高まりもあり、企業と従業員が同じ方向を向くための選択肢にもなっているのです。

佐藤:みずほ信託銀行は人的資本の拡充に向け、多面的な支援を進めてきました。その中の一つが、企業価値の向上につながる「株式給付信託(J-ESOP)」です。従業員が自社の株式を保有することで、自分の業務だけではなく、企業全体の価値向上、社会的なインパクトなど、視野を幅広く持つきっかけになります。私たちは、ここに大きな期待を感じています。

石田:銀行は「ヒト・モノ・カネ」の中でも「カネ」に関する業務が多いのですが、J-ESOPは「ヒト」へのアプローチになります。人的資本への意識の高まりもあり、取り組みの重要性を改めて感じているところです。

石田 智昭

従業員への想いがメリットとして結実
高まる企業価値を従業員と分かち合う

――従業員への株式給付はモチベーションの向上をもたらすインセンティブプランとして考えられます。経営陣のニーズはどのようなものがありましたか。

風祭:モチベーションの向上という観点ではボーナス等の金銭報酬がまず考えられますが、金銭報酬によるモチベーションアップはあくまで一時的なもの。従業員の継続的なチャレンジを後押しするものではない、という考えのもと、経営陣には、従業員が自社株を持ち、チャレンジやコミットメントを高める文化を醸成しよう、という風潮が見られます。人的資本経営では、メンバーの内発的な動機をドライバーにし、企業価値の向上を目指す流れが活発です。また、企業価値が向上した際、そのメリットを直接的に享受するのは株主でした。人的資本経営で、そのメリットを従業員が享受するためには、従業員を株主化する仕組みの構築が必須なのです。

佐藤:モチベーション向上を図るという狙いもありますが、私たちが提案する企業では「従業員にオーナーシップを持ち、高い意識を持って業務に臨んでもらいたい」と考え、J-ESOPを検討するケースも増えてきています。自らや組織のミッション達成にとどまらず、会社全体を俯瞰して考え、さらに社会全体のインパクトにも思いを馳せながら業務に取り組むきっかけになるのではないか、と考える経営陣が増えています。

私たちは経営陣の想いを汲み取りつつ、ESOPのスキームが実装できるのか、従業員のモチベーション向上につながる制度設計ができるのか、議論を重ねて導入に至る企業が増えています。この試みが広がることはモチベーションの喚起にとどまらず、日本企業に求められてきたイノベーションの活性化にもつながるのではないでしょうか。

風祭:ESOPには、成果に応じて株式を受け取れる「株式付与型」、従業員が株式を購入する際の奨励金のように活用する「従業員持株会処分型」というパターンがあります。導入を考える企業の事情はそれぞれ異なります。私たち企業戦略開発部、そしてコンサルティング部には高い専門性を持ったメンバーが100名以上在籍しています。高度な専門性を持ち、企業と従業員を取り巻く環境、ニーズに応じてさまざまな商品を提案できること。それが、みずほ信託銀行がお客さまに貢献できることの一つです。

石田:株式付与型、特に従業員向けはトップシェアで受託してきました。そのため「従業員にどのように株式を渡すのか」というノウハウも豊富です。また、多くの企業を支援してきた実績が、スピード感を持った導入サポートを可能にしています。

石田 智昭

従業員への想いがメリットとして結実
高まる企業価値を従業員と分かち合う

――従業員への株式給付はモチベーションの向上をもたらすインセンティブプランとして考えられます。経営陣のニーズはどのようなものがありましたか。

風祭:モチベーションの向上という観点ではボーナス等の金銭報酬がまず考えられますが、金銭報酬によるモチベーションアップはあくまで一時的なもの。従業員の継続的なチャレンジを後押しするものではない、という考えのもと、経営陣には、従業員が自社株を持ち、チャレンジやコミットメントを高める文化を醸成しよう、という風潮が見られます。人的資本経営では、メンバーの内発的な動機をドライバーにし、企業価値の向上を目指す流れが活発です。また、企業価値が向上した際、そのメリットを直接的に享受するのは株主でした。人的資本経営で、そのメリットを従業員が享受するためには、従業員を株主化する仕組みの構築が必須なのです。

佐藤:モチベーション向上を図るという狙いもありますが、私たちが提案する企業では「従業員にオーナーシップを持ち、高い意識を持って業務に臨んでもらいたい」と考え、J-ESOPを検討するケースも増えてきています。自らや組織のミッション達成にとどまらず、会社全体を俯瞰して考え、さらに社会全体のインパクトにも思いを馳せながら業務に取り組むきっかけになるのではないか、と考える経営陣が増えています。

私たちは経営陣の想いを汲み取りつつ、ESOPのスキームが実装できるのか、従業員のモチベーション向上につながる制度設計ができるのか、議論を重ねて導入に至る企業が増えています。この試みが広がることはモチベーションの喚起にとどまらず、日本企業に求められてきたイノベーションの活性化にもつながるのではないでしょうか。

風祭:ESOPには、成果に応じて株式を受け取れる「株式付与型」、従業員が株式を購入する際の奨励金のように活用する「従業員持株会処分型」というパターンがあります。導入を考える企業の事情はそれぞれ異なります。私たち企業戦略開発部、そしてコンサルティング部には高い専門性を持ったメンバーが100名以上在籍しています。高度な専門性を持ち、企業と従業員を取り巻く環境、ニーズに応じてさまざまな商品を提案できること。それが、みずほ信託銀行がお客さまに貢献できることの一つです。

石田:株式付与型、特に従業員向けはトップシェアで受託してきました。そのため「従業員にどのように株式を渡すのか」というノウハウも豊富です。また、多くの企業を支援してきた実績が、スピード感を持った導入サポートを可能にしています。

佐藤 雅史

企業と、従業員の持続的な明日のために
文化の醸成をJ-ESOPから支援していく

――人的資本経営が大きな潮流になる中、「ヒト」に対するアプローチのJ-ESOPが存在感を増していることが分かりました。企業にも、そして従業員のサステナビリティにもつながる提案ですね。

石田:お客さまと対話を重ねる中で「ヒト」に対するアプローチに興味がわき、専門性を高めるために社会保険労務士の資格を取得しました。労働法などを踏まえてヒアリングし、提案することで説得力を持った提案ができると考えたからです。

近年、人的資本経営では「従業員エンゲージメント」が一つのキーワードになっています。これは「会社に貢献したい」という従業員の自発的な意思、意欲を表すもの。株式給付によって従業員エンゲージメントを高めることは、企業の経営に資するだけではありません。プロダクトやサービスの向上によってお客さまにも貢献できるのです。それはさらなる利益の向上につながり、従業員に還元され、社会にも貢献していくでしょう。こうした仕組みを提案し、支援できることも、サステナビリティ活動につながると感じています。

佐藤:私たち信託ソリューション第三部はお客さまとの最初の接点になり、「従業員に還元したい」「オーナーシップを持ってもらいたい」といった経営陣の意図を汲み取り、スキームとしてかたちにしていきます。石田さんが述べたように、企業と従業員の好循環のサイクルが回れば、社会にも貢献し、数多の課題を解決することにもつながるでしょう。その点でも、J-ESOPは「みんながハッピーになれる」商品です。いろいろな人にハッピーを届けられる商品を通し、サステナビリティ活動への知見を積むことができました。今後も、人的資本経営、サステナブルな企業経営を支援しながら、私自身も成長していければと考えています。

風祭:J-ESOPの導入支援を通し、石田さん、佐藤さんと連携しながら経営層とコンタクトする中、「企業文化」「従業員に対する想い」を聞く機会に恵まれました。企業が永続的に発展する上で土台になるのが企業文化であり、企業文化の礎になるのが「ヒト」なのです。J-ESOPに関心を持ち、導入を進めようとする企業には、「文化を醸成しよう」という志があります。J-ESOPの仕組みをカスタマイズしながら、その企業に合った商品を提供し、企業文化の醸成に貢献できるのは、私たちの大きな喜びです。その先にはサステナブルな社会への貢献も視野に入るでしょう。今後も、J-ESOPを通し、さまざまな企業のサステナビリティ経営を支えていければと考えています。

佐藤 雅史

企業と、従業員の持続的な明日のために
文化の醸成をJ-ESOPから支援していく

――人的資本経営が大きな潮流になる中、「ヒト」に対するアプローチのJ-ESOPが存在感を増していることが分かりました。企業にも、そして従業員のサステナビリティにもつながる提案ですね。

石田:お客さまと対話を重ねる中で「ヒト」に対するアプローチに興味がわき、専門性を高めるために社会保険労務士の資格を取得しました。労働法などを踏まえてヒアリングし、提案することで説得力を持った提案ができると考えたからです。

近年、人的資本経営では「従業員エンゲージメント」が一つのキーワードになっています。これは「会社に貢献したい」という従業員の自発的な意思、意欲を表すもの。株式給付によって従業員エンゲージメントを高めることは、企業の経営に資するだけではありません。プロダクトやサービスの向上によってお客さまにも貢献できるのです。それはさらなる利益の向上につながり、従業員に還元され、社会にも貢献していくでしょう。こうした仕組みを提案し、支援できることも、サステナビリティ活動につながると感じています。

佐藤:私たち信託ソリューション第三部はお客さまとの最初の接点になり、「従業員に還元したい」「オーナーシップを持ってもらいたい」といった経営陣の意図を汲み取り、スキームとしてかたちにしていきます。石田さんが述べたように、企業と従業員の好循環のサイクルが回れば、社会にも貢献し、数多の課題を解決することにもつながるでしょう。その点でも、J-ESOPは「みんながハッピーになれる」商品です。いろいろな人にハッピーを届けられる商品を通し、サステナビリティ活動への知見を積むことができました。今後も、人的資本経営、サステナブルな企業経営を支援しながら、私自身も成長していければと考えています。

風祭:J-ESOPの導入支援を通し、石田さん、佐藤さんと連携しながら経営層とコンタクトする中、「企業文化」「従業員に対する想い」を聞く機会に恵まれました。企業が永続的に発展する上で土台になるのが企業文化であり、企業文化の礎になるのが「ヒト」なのです。J-ESOPに関心を持ち、導入を進めようとする企業には、「文化を醸成しよう」という志があります。J-ESOPの仕組みをカスタマイズしながら、その企業に合った商品を提供し、企業文化の醸成に貢献できるのは、私たちの大きな喜びです。その先にはサステナブルな社会への貢献も視野に入るでしょう。今後も、J-ESOPを通し、さまざまな企業のサステナビリティ経営を支えていければと考えています。

(2022年11月21日)

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